■自分の経験を生かして当事者を支援したい
〜支援団体 からふるテラス〜
本市パートナーシップ宣誓制度の立ち上げにも協力した、支援団体「からふるテラス」(平成31年設立)の皆さんに、団体設立のきっかけや活動の手応えなどを伺いました。
からふるテラス代表 真さん
副代表の流さんと昨年10月に本市でパートナーシップを宣誓した
(団体メンバーの3人 ハルさん、真さん、流さん)
▽親から言われた一言「聞きたくなかった」
真さん:男女が付き合うのが普通だと考えていましたが、流さんと共通の趣味を通して出会い、お互いを特別な存在だと感じるようになりました。
流さん:真さんと出会った当時、高校生だった私は、母に聞かれた流れで彼女と付き合っていることを告げました。そのときに言われた言葉が「聞きたくなかった」でした。「家族を壊してしまうかもしれない」ということが怖かったです。それが変わったのは、3年前に結婚式を挙げる際に、決意表明の気持ちで両親に自分たちのことを打ち明けたとき。完全には理解してもらえませんでしたが、私たちの幸せな姿を見ているうちに、少しずつ両親の気持ちにも変化があったようです。
▽支援団体「からふるテラス」の立ち上げと活動の手応え
真さん:自分たちは性の在り方について相談できる人が身近にいなかったため、いろんな人が声を上げられる社会になる活動を相模原市で始めたいという思いから、支援団体「からふるテラス」を立ち上げました。
真さん:からふるテラスでは、LGBTに関する市民講座に加え、当事者同士の交流会(クローズドミーティング)や、市内中学校など教育現場に講師を派遣する取り組みをしています。
流さん:講師派遣は、生徒だけでなく教職員に向けても行っています。ある中学校で、生徒向けに講演をする前に先生に向けた研修をしたところ、先生たちが「目の前の子どもたちの中に、今まさに悩んでいる子がいるかもしれない。まずは相談に乗ってあげられる仕組みづくりが必要だ」と気付いてくれました。
真さん:先生たちにアクションを起こせたことに、とても大きな意味があったと感じています。
流さん:クローズドミーティングは、LGBTの人たちの居場所づくりの意味で始めたのですが、毎回さまざまな人が集まってくれて、活動の広がりを実感しています。
▽海外留学で悩みが吹っ切れた
ハルさん:私は物心付いたときから「なんで女の子として生まれてきたんだろう」という思いを抱えていました。中学・高校生の頃は「自分が何者なのか」と思い悩み、絶望を抱えていました。その後、心機一転、カナダに留学したときに、自分を受け入れてくれた現地の人や、カミングアウトに対する自然な反応に悩みが吹っ切れました。性別をどちらかに決めるのではなく、自分は自分として生きる決意をしました。
昨年の夏に帰国して、インターネットで「からふるテラス」のクローズドミーティングを見つけたときは、ものすごくうれしくて。すぐに参加し、団体にも加入しました。
流さん:しっかりした考えを持った、頼もしい新人さんです!
ハルさん:私が中学生だった10年前は、LGBTという言葉は今ほど一般的ではありませんでしたが、相模原市にパートナーシップ宣誓制度ができたように、徐々に理解が広がってきていると感じています。海外のように、「性は多様である」ということがもっと当たり前の社会になってほしいと思っています。
問い合わせ:人権・男女共同参画課
電話042-769-8205
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