■私にとって「共に生きる」とは
市内で暮らしている障害のある人や支援している人の姿から、誰もが幸せに生きられる社会とはどのようなものか、そのヒントが見つかるかもしれません。
■共に生き、自分らしく暮らす「津久井やまゆり園」
事件から5年がたちました。新しい津久井やまゆり園は今年8月に開所し、利用者の皆さんが生活を始めています。
津久井やまゆり園とは…県立の障害者支援施設。主に知的障害がある人が日常生活や健康管理のための支援を受けている。
▽共に笑う
利用者の気持ちに寄り添い、共に笑える空間があります。
▽共に暮らす
生活に欠かせない買い物など、日々を楽しみながら共に暮らしています。
▽共に過ごす
健康や身だしなみに気を使うなど、自分を大事にしながら、誰かと共に過ごす喜びがあります。
◆園長 永井清光さん(中央区在住)
・人の役に立つ仕事をと考え福祉従事者を目指す。園を運営するかながわ共同会に入職して27年。7月から現職
▽学校や病院と同じく、地域の一員として支えあえる福祉施設へ
緊急事態宣言解除後に回った地域住民へのあいさつで、多くの人から「再開できて良かったですね。これからも頑張ってください」といった温かい言葉をもらったことがとても励みになりました。
先日の衆議院議員選挙では、利用者さんも期日前投票に参加していただきました。園の外に出かけることは、地域との交流になりますし、園と地域がつながると、障がい者に対する理解が深まる。また、利用者さんが当たり前のことをどんどん経験していくことが、地域生活移行など、いろいろな可能性につながると思います。
共に生きる社会にするためには、小さい頃から障がい者との関わりを持ち、障がい者福祉を感覚的に知ってもらうような教育が大切だと思います。「障がい者だから」という、意識の壁を取り払い、障がい者が社会で共に生活することが普通のことという考え方が広がることを願っています。
・11月7日の千木良地区防災訓練に、園の利用者と職員が参加。今後も地域のイベント参加を検討中
◆常勤支援員 内野純子さん(緑区在住)
・主に女性利用者の支援を担当。園の勤務は臨時の手伝いから始め、今年で27年
▽一人ひとりの心の幸福さが大切
園のある千木良で生まれ育ち、子どもの頃は園のグラウンドで友達と遊ぶ中、利用者さんたちと交流するのが日常でした。好きな漫画の交換会や、園のお祭りの模擬店、花火などの行事も大切な思い出です。
仕事で気を付けていることは笑顔でいること。笑顔には笑顔が返ってくる!と思っています。そして、自己満足で独り善がりな支援にならないように、利用者さんのペースに合わせること。そのために、一人で考えるのではなく、同僚と話し合い、上司に相談して園全体で考えています。
共に生きる社会とは、皆が自分を愛することができる社会だと思います。病気の方や小さな子ども、高齢者、自然や動物にも優しい人が増えていけばいいと思います。障がいがあるから声を掛けなければ!というのも違う。意識の中にある壁は、自然になくなるのが一番ですが、難しいことだと思います。本当に大切なものは何かを考え、感じていくことがこれからの時代には必要ではないでしょうか。
問い合わせ:高齢・障害者福祉課
電話042-707-7055
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