◆予算編成では、市民生活に係る扶助費や事務事業の全庁的な見直しが行われたが、進め方に疑義がある。重要なのは、セーフティネットとしての役割を果たしながら、中長期にわたり持続可能な都市経営を保障できるかという点であり、扶助費の見直し等は、本市の特性や地域事情、市民の生活をベースにおいた評価と判断があるべきである。また、評価や見直しの方向性を関係団体や市民に示し、ニーズの高い事業への移行や影響を低減する工夫等を共に考えるプロセスを大切にすべきである。
◆予算編成に際して、大規模事業の有用性、実現可能性の検証や取捨選択が行われなかった。人口減少、高齢化が進む現実を直視し、事業の実現可能性と効果を今一度見極め、速やかに取捨選択を行い、戦略的に都市経営を進めるよう強く求める。また、市民に開かれた議論を行うためにも、調査会社への委託で行った調査資料等を公開し、説明責任を果たすよう重ねて要請する。
◆予算編成過程の見える化は、類似事業の精査や効率化を図って縦割り行政のムダを省き、より効果的な事業を展開していく上での前提条件である。市民の正しい理解と行政への信頼を高める上でも有効である。市民の不満や不信を生じさせないためにも、痛み分けや譲り合い、新たな財源の使い道に対する合意形成、民間事業者や市民団体が公的サービスの担い手としての参画を図るためにも、市の財政状況や意思決定の過程をオープンにしていくべきである。