ユーザー登録
文字サイズ

広報さがみはら 令和2年3月15日号

得意なこと苦手なことは人それぞれ違う ~発達障害を知ろう~(1)

14/46

神奈川県相模原市 クリエイティブ・コモンズ

一人ひとりの「特性」が音符のように集まればすてきなメロディが奏でられるはず。

「発達障害」という言葉がメディアで取り上げられるようになり、認知度が上がってきたのは、最近のことです。
発達障害のある人には、どんな苦労があり、どんなサポートを得て、自分らしさを発揮しながら生活しているのでしょうか。
発達障害のあるご本人と、支援に携わってきた有識者にお話を伺いました。

◆interview 当事者から
30代男性。企業に障害者雇用枠で就労し、現在は正社員としてコンピューター機器などを統括する仕事を任される。趣味はサッカー観戦で、各地での観戦やチームの情報収集などを楽しむ。日々、家族のために皿洗いや食器の片づけなどの家事をしている

▽母の後押しが発達障害の相談につながった
プログラマーとして就職しましたが、パソコン操作が得意でも職場では違うスキルが求められ、人間関係のつらさもあって、会社を二度辞めたことが相談のきっかけです。母が図書館で借りてきた本に載っていた特性と自分がよく似ているなあと思い、発達障害支援センターに相談しました。医師の診断は「広汎性発達障害」とのことでした。
障害がはっきり分かって安心しました。

▽特性に合った働き方ができるから仕事が続く
診断を受けた後、障害者手帳を取得し、障害者職業センターやハローワークとも相談して、障害者雇用枠で就労し、契約社員としてスタートしました。仕事ぶりが認められて今は正社員として働いています。会社では社内のコンピューター機器などを統括・管理する部署で働いています。

▽仕事で困るのは話す機会の持ちにくさ、自分の余裕が持てないとき
職場の人に質問があるときに、相手が忙しく話す時間が持てないときが困ります。あとは仕事の依頼で、1週間前に言ってもらえれば余裕を持ってできることでも、3日前だと、余裕がなくなるときです。困ったときは、職場の人とパソコンのチャットでやりとりしながら進めています。

▽「苦手さ」に合わせてくれるサポートがある
指導してくれる先輩は、実際にやって見せる方法で丁寧な教え方をしてくれます。やって見せてくれたことを手本とするから、仕事がやりやすいです。それに、たとえ忙しくても時間をかけて質問に答えてくれるなど、話をじっくりと聞いてくれます。

▽教わったように丁寧に 一度に抱え込まないように
今は一人で対応することが増えてきたのですが、先輩が自分にしてくれたように、職場の人に説明するときは必ず丁寧に教えるようにして、一度の説明で全部を理解してもらおうとしないことを心掛けています。また、自分の仕事管理として、すぐに終わるものから順に取り掛かって、仕事を抱え込まないようにしています。10分・1時間・3日で終わるものと分けて取り組むと、一度にすることは1個で済むからです。

▽当事者からのメッセージ
発達障害の特性は人によって違います。本などで情報を知ってもらうことも大切ですが、その人自身を見てほしいです。

◆interview 支援している有識者から
日戸由刈(にっとゆかり)さん
相模女子大学人間社会学部人間心理学科教授
市発達障害者支援地域協議会会長を務める

▽その人だけが持つ発達特性が社会と折り合わないこと、それが発達障害
発達障害のある人は、物事の捉え方や理解の仕方が独特です。例えば、同時に複数の情報を受け取り理解することが苦手です。1対1での会話では問題がなくても、3人以上の会話になると話の流れの理解がとても難しくなってしまいます。そのため、人とのコミュニケーションや社会への参加がとても難しいと感じるようになるなど、生活の障害につながりやすいのです。

▽発達障害は発達の多様性のひとつ、そして社会の中では少数派
発達障害に限らず、人の発達はとても複雑でさまざまです。多くの人は日々の生活を通して、生活に必要な習慣や、社会の枠組みに対して広く注意や関心を向けることで、特に教えられなくても自然と身に付けることができます。でも、発達障害の人たちは、こうした教えられないことの理解が難しく、一つひとつを丁寧に教えてもらわないと、少数派の彼らが社会の中でやっていくことが難しいのです。

▽周りの人は「黒子」となってサポートを、人生の主役はご本人
まずは、ご本人がどのような発達の特性を持っているのかを理解してほしいです。そして、気になることがあったら発達障害支援センターなど専門機関に相談してください。また、ご家族は「黒子」になってサポートする心構えが大切です。黒子とは、舞台の上で役者が自由に演技できるように、介添えをする大事な役目です。ご本人が自分のすべきことを自分で判断し、困ったときは安心して人に頼れる環境や、興味や関心のあることを追求し満足して、人に自慢できるような環境を作ってあげる。生活の小さなことから始めてみてください。

問い合わせ:市発達障害支援センター
電話042-756-8411

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒104-0061 東京都中央区銀座3-4-1 大倉別館ビル5階
協力 相模原市 〒252-5277 神奈川県相模原市中央区中央2-11-15