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《ちゅうおう区版》受け継がれる地域の伝統

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神奈川県相模原市 クリエイティブ・コモンズ

区内の各地域では、夏祭りなどさまざまな機会を通じて、神輿やお囃子、獅子舞などの伝統芸能が披露されています。
今回は、上溝で江戸時代中期から続く、市指定無形民俗文化財「番田の神代神楽」を紹介します。

◆番田の神代神楽とは
神代神楽は、「古事記」や「日本書紀」の神話を題材とし、神楽面をつけて台詞を発さずに演じる黙劇で、里神楽とも呼ばれます。
番田の神代神楽は、上溝地区番田の亀山家が代々伝承している神楽で、亀山家が所有する資料『神道裁許状』から、天明8(1788)年には既に行われていたことが分かります。
一つの演目は、神様を演じる3~10人の演者と、大拍子・大太鼓・笛で囃子を奏する3人の奏者で行われ、解説者が進行に合わせて物語を説明します。
番田の神代神楽で使われる面は神様をかたどった神聖なものであるため、演者は必ず一礼してから顔に着けます。

◆伝承されている演目
伊耶那美命を追って黄泉国へ行った伊耶那岐命がこの世に戻ってきてみそぎをする『日向の淡岐原』や、岩戸に閉じこもった天照大神を八百万の神々が外に連れ出した『天磐扉と開びらき』、須佐之男命が八岐大蛇を退治する『八雲神詠』など、22演目が伝承されています。。

◆番田の神代神楽の魅力
番田の神代神楽は、昔から神社の例祭の楽しみとして、地域の皆さんに親しまれてきました。大部分が台詞のない黙劇で、しぐさや動きで、演じる役の様子や感情を表現するところが魅力の一つです。また、舞台の進行に合わせて、各場面の様子や役の台詞、心情を解説しているので、神楽を初めて見る人でも楽しめると思います。
現在は、保存会員の高齢化や後継者不足で、継承していくことが年々難しくなっていますが、他の地域から応援をもらいながら続けています。
地域で200年以上続く伝統芸能を、ぜひ間近でご覧いただきたいと思います。
(番田神代神楽保存会 望月清志さん)

◆地域の伝統を復活「田名清水のお囃子」
田名清水自治会では、「大人になっても清水が心に残るように」との思いから、人手不足のために途絶えてしまったお囃子を約15年前に復活させました。現在は4歳から16歳の子ども38人が年間を通じて練習し、地域のお祭りで披露しています。

▽帰ってきたい場所にするためにお囃子をつなぐ
清水囃子連 大谷さん
目を輝かせながらお囃子に取り組んでいた子どもたちは、大人になって地域を離れても、お祭りの時期になると戻ってきてくれます。道具の維持や指導者不足など、伝統を継承していくことの難しさはありますが、お囃子が地域を思い出すきっかけになってほしいと取り組んでいます。

◆伝統芸能を次代へ
私たちが住む地域には、昔から営まれ、親しまれてきた伝統芸能があります。
伝統芸能を通して紡がれる人の記憶や絆、伝統を次代に残すため、さまざまな団体が芸能の継承に取り組んでいますが、時代の流れとともに担い手が減り、継承していくことが難しい状況にあります。伝統が途絶えることがないよう、まずは身近にある伝統芸能を見に行ってみませんか。そして、興味が湧いた人は伝統の担い手になってみませんか。

▽神々が舞い踊る舞台「番田の神代神楽」を鑑賞してみませんか
日時:9月17日(祝)午後3時~5時
会場:亀ヶ池八幡宮(中央区上溝)
交通:
・上溝駅から徒歩15分
・上溝駅から「相模大野駅」行きバス「亀ヶ池八幡宮前」下車
※無料駐車場(100台)あり

問い合わせ:中央区役所区政策課 電話042-769-9802

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