多くの地域で、地域活動への若い世代の参加が課題となっています。
今回は、地域で育った若い世代が地域活動に参加している、横山地区の「ボランティア絆青年部」のメンバー4人に集まってもらい、地域活動への若い世代の参加について話し合ってもらいました。
◆ボランティア絆 青年部
ボランティア絆のメンバーが、阪神淡路大震災をきっかけに、地域を支えるには若い世代の力も必要と考え、地域に住む高校生や大学生などに声を掛け発足しました。現在、34人のメンバーが防災訓練や祭りの運営などのさまざまな活動に、幅広い世代の人たちと共に取り組んでいます。
—はじめに、青年部に入ったきっかけを教えてください。
大木
公民館で地域のさまざまな人と交流するのが楽しくて、事業の手伝いをしていた時に、ボランティア絆の代表者と出会ったのがきっかけです。
德永
友人の大木さんに誘われました。
小俣
中学生になって、地域の祭りを手伝いたいと思い、地域活動に参加しているうちに、気付いたら青年部に入っていました。
松田
阪神淡路大震災の時に、地域の若者が高齢者を助けたという話を聞いて、僕らの世代も関わっていかなければならないと感じたのがきっかけです。
—小俣さんは、子どもの頃から地域活動に参加しやすい環境があったんですね。
小俣
そうなんです。近所のおじさんやおばさんも気軽に声を掛けてくれて、子どもの頃から地域活動に参加しやすい環境だったと思います。
—これまでの地域活動を通して、印象に残っていることはありますか?
小俣
夏祭りの手伝いで、他校の生徒や地域の人と協力して作業をしたことが、印象に残っています。
松田
まだ青年部ができる前で私が中学生の時、小学生の登校の見守りパトロールをやっていたのを覚えています。その時に小学生と顔見知りとなり、弟のような存在になったことです。
—活動を通じて、幅広い世代の人たちと関わることができているんですね。
小俣
そうですね。活動を通して、地域の高齢者と自然と知り合いになることができ、災害時にも生かせると思います。
德永
活動は、人に会いに行っているのが本音です。家族に話すように、近所のおじさん、おばさんに近況の報告に行っています。違う世代の人と仲良くなれたからこそ、ボランティア活動の楽しさが増した気がします。
—他の地域ではなかなか若い世代を地域活動に呼び込めなくて苦労していると聞きますが、皆さんはどう思いますか?
德永
ボランティアに参加したいと思っても、その窓口が分からなくて諦める人が多いと思います。
大木
そこから一歩踏み出せない人、結構多いですよね。災害などで活躍するボランティアも、普段身近に感じる機会がないから、そこまで意識できないのかなと思います。
德永
身近な地域活動でも、子どもたちには、ボランティア活動をしている人たちによって、支えられているという認識がないと思います。それを認識することで、自分もやろうという気につながるのではないでしょうか。
松田
若者だけでボランティアをするのは、なかなか難しいと思います。まずは大人がどのような活動があるかを紹介した上で、興味を持った人が参加していくことで、輪が広がっていくと思います。大人に任せるわけではないですが、発信の仕方が大事になってくると思います。
—身の回りで地域活動を支えてくれている人がたくさんいるということに気付くこと、そして、大人が地域活動に参加する機会をつくっていくことが、若い世代を呼び込むために大切になりますね。
松田
それと、地域の人たちと顔見知りになることも大切です。私の自治会では、毎年小学校1年生が入るとみんなで集まって顔合わせを行います。それをきっかけに学年を超えて、仲間として受け入れることができて、とても良い機会だと思います。
小俣
私がボランティアを始めたのは中学校1年生の時の祭りの手伝いでしたが、その時も自治会の顔合わせのおかげで、顔見知りの小学生などがたくさんいて、参加しやすかったです。
德永
友人に話を聞くと、横山地区に愛着を持っているとよく聞きます。自分の住んでいる地域に愛着を持つことが、地域活動へ参加していく動機につながると思います。
大木
そうですね。周りのおじさん、おばさんに小さいころから育ててもらった感覚があり、恩返ししたいと思っているので、今後も横山地区で活動を続けていきたいです。
—世代を超えたつながりが地域への愛着となり、そのことが地域活動に参加する動機となっているのですね。
そして、若い世代の参加には、子どものころから活動に参加しやすい環境を地域でつくっていくことや、活動をしたい若い世代に、大人からしっかりと情報を提供していくことも大切なんですね。
問い合わせ 中央区役所区政策課 電話042-769-9802
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