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共にささえあい生きる社会(1)

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神奈川県相模原市 クリエイティブ・コモンズ

共に支えあい 生きる社会

できることから少しずつ。その積み重ねが共生社会の実現につながっていきます。
自分には何ができるだろう。何をすればいいのだろう。
答えは1つではありません。その答えをみんなで一緒に探していきましょう。

■誰かを支えるって、特別なことじゃない
ガイドヘルパー「小山由香さん」  ×  ヘルパー利用者「伴瀬美恵子さん」インタビュー
◆小山由香さん(ガイドヘルパー)
▽ガイドヘルパーの活動をして10年
視覚障害のある人が外出をする際に介助を行うガイドヘルパーをしています。
視覚障害のある人が私の身内にいたので、ガイドヘルパーについては早くから耳にしていましたが、子どもに手がかからなくなったことで10年ほど前から活動を始めました。

▽利用者の笑顔がやりがいに
活動をしていてうれしいのは、買い物に同行したときに「良い物が見つかった」と言われたり、食事に同行したときに「おいしかった」と言われたりすることです。満足そうな笑顔を見ると、この活動をしていて良かったな、と思いますね。

▽活動的な伴瀬さんのおかげで私もいろいろな体験が
伴瀬さんは、私がガイドヘルパーになった当初から外出をお手伝いさせていただいています。伴瀬さんは、市の視覚障害者協会の副会長を務めていることもあり、市内はもとより全国各地の会合や行事に出席します。また、趣味も多彩で全国にお友達がいるので、いろいろなところに同行させてもらっています。
伴瀬さんとご一緒することで、私の方が勉強させてもらったり、知らなかった世界を教えてもらったりしているんですよ。

▽特別なことだと思わず気軽に手を差し伸べることが大事
ある人が、「背の低い人が高い所にある物を取るとき、背の高い人に頼むでしょう。障害のある人を手助けするのは、それと全く変わらないんだよ」と話していました。本当にその通りで、私はいつもその言葉を心に留めているんです。
障害者支援は、少しも特別なことではありません。最初から「難しそう」「私にはできない」などと構えずに、普段、親しい人が困っていたら手伝ってあげるように、気軽に声を掛けたり手を貸したりすることが大切なのだと思います。

◆伴瀬美恵子さん(ガイドヘルパー利用者。市視覚障害者協会副会長)
▽小山さんは今や私の活動に欠かせない大事なパートナー
小山さんの良いところは、サポートの適切さです。言葉や行動が過度にならず、それでいて必要なことは心得ていてくれるので、こちらも安心できるんです。今では依頼の際に、「この日、小山さんは空いていますか?」とあらかじめ確認することもあるんですよ。
ガイドヘルパーは目の代わりをしてくださる大事なパートナーですが、今や小山さんはお友達ともいえる大切な存在です。

▽ガイドヘルパー制度を積極的に利用して障害のある人には外出を楽しんでほしい
相模原市は、ガイドヘルパーの利用条件が恵まれていると思うので、とてもありがたく感じています。障害のある人は、「一人では出掛けられない」と家にこもらず、積極的にこの制度を利用して外出を楽しんで、社会参加してほしいですね。

▽誰かがうれしくなれば自分もうれしい 住みよい社会の第一歩はそこから
手助けが必要なことは、障害者でも健常者でも普通にあること。だから、「ちょボラ(ちょっとしたボランティア)」という感覚で、困っている人に気軽に声を掛けてほしいですね。
自分がしてあげたことで誰かがうれしくなって、自分もうれしくなる。その気持ちが次につながっていけば、みんなが住みよい社会になるのではないでしょうか。

■知的障害のある人の居場所づくり まつカフェ
知的障害のある人が家以外でくつろげる場所をつくりたい―「まつカフェ」はそんな思いを込めた事業です。障害者支援センター松が丘園で試行的に実施しているこの企画では、ボランティアも参加者の1人として輪に加わります。
毎回のテーマはさまざま。取材をした日は、みんなでジェルキャンドル作りに挑戦していました。活動中、サポートを必要としている人がいたら自然と誰かが手を差し伸べ、参加者同士のおしゃべりも弾みます。
初めは緊張していた人も最後は笑顔に。障害の有無にかかわらず、誰もが一緒に楽しめる空間となっていました。

○初めて参加した人の声
普段は家でテレビやDVDを見ていることが多いので、こうやってみんなで集まってわいわいできたのが楽しく、良い経験になりました。声優体験やコーヒーを楽しむ会など、いろいろなテーマがあるので、これからも参加したいです。

■相手の気持ちを知る 学ぶ 考える
富士見小学校4年生は、総合学習で「だれにでもやさしく」をテーマに学習を進めています。その一環として、障害について理解し、共生社会について考えるための取り組みを積極的に行っています。
◆アイマスクや車いすを使って障害を体験
障害のある人や高齢者が日頃どのように感じているのかを、実際に体験しながら学びました。

◆障害のある人から直接話を聞く
肢体、視覚、聴覚など、さまざまな障害について直接話を聞き、学んだこと・感じたことを新聞にまとめました。

◆みんなで楽しめる企画を考える
障害の有無にかかわらず、みんなで楽しめるような企画を考えて実施。歌やゲームなどいろいろな企画を行いました。

◆自転車競技 パラリンピック銀メダリスト 鹿沼由理恵選手と交流
小学生の頃は、視覚障害があることを周りに隠していた鹿沼選手。さまざまな出会いを経る中で自分の障害を受け入れ、ひたむきに練習に励みメダルを獲得した鹿沼選手の話を聞いた子どもたちからは、「えーっ!」「すごい!」と次々に声が上がりました。
▽鹿沼選手コメント
車いすバスケットボールや盲人マラソンなどのパラリンピック競技も、元のルールを少しだけ工夫したもの。相手を思う心とちょっとした工夫があれば、障害の有無にかかわらず、みんなで共に生きていくことができると思います。
・鹿沼由理恵さん
リオデジャネイロ・パラリンピック女子タンデム個人ロードタイムトライアル(視覚障害)銀メダリスト。市内企業に勤めながら、日々練習に励んでいる。

◆授業を通して考えた理想のさがみはら
富士見小学校では、作文や理想の相模原を描いた絵などを障害者週間イベントで展示する予定です。子どもたちが自ら考えて発信するメッセージは、「共にささえあい 生きる社会」に向けた大きな一歩になってくれることでしょう。
・「助ける」ではなく「助け合う」まちにしたい
・自分たちが学んだことを伝えていって、みんなが障害を「他人事」ではなく「自分事」として考えるようになってくれるといいな

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