生活に関わる困難や周囲からの孤立は、誰にでも起こる身近な問題です。背景に関わらず受け入れ、困っているときは手を差し伸べることができる地域社会づくりは、全ての人にとって大切です。まずは、地域での取り組みなどを知ることから始めてみませんか。
■更生保護はなぜ必要?
▽支援がないと孤立につながる
経歴が妨げとなって住居や仕事が見つからない、助けてもらえない、相談相手がいないなどの背景から更生できず、再び犯罪という手段を取る「負のサイクル」を繰り返すことがあります。
・負のサイクルのイメージ
■相模原市第二次再犯防止推進計画
令和6年3月に策定。「行政や関係機関等による支援」だけでなく「更生を決意した人を受け入れる地域社会づくり」を目指す計画です。市は、住居探しや就労などを支援するほか、「社会を明るくする運動」の推進、地域で活動している民間協力者へのサポート、さまざまな機関との連携強化などに取り組んでいます。
■支援する人や取り組みを知ろう
▽保護司
更生を身近で支える民間のボランティア。直接的な支援や事前調整など、さまざまな活動をしています。全国で約4万7,000人(本市135人)、性別や年代を問わず活動しています。
▽主な活動内容
・保護観察(保護観察官※と協働した面談や指導など)
※更生保護の責任者となる法務省の専門職
・釈放を控えた人の住居や就業先などの事前調整
・犯罪や非行を防止するための地域での啓発活動
・他の支援へとつなぐ調整役
▽保護司さんインタビュー
市保護司会協議会会長 清水洋子さん
上溝を中心に活動中。保護司歴約20年。先輩保護司の勧めで活動を始め、21人の更生に携わった
活動を通じて、家族や周りの存在の大切さ、理解が再犯防止につながることを学びました。以前受け持った父子家庭では、子ども(対象者)が罪を犯したことを父親が理解し、真剣に向き合ってくれたこと、数年後に対象者が就職して結婚し、子どもが生まれたと報告してくれたことが印象に残っています。
犯罪者は「怖い」と思われることが多いですが、私は保護司活動で身の危険を感じたことはありません。いろいろな方が共に活動してくれたらうれしいです。
●更生保護女性会
犯罪や非行をした人の更生に協力する女性ボランティア。全国で約13万人(本市322人)が活動しています。
▽主な活動内容
・いじめ防止の啓発など、青少年の健全な育成に関する活動
・障害者施設や児童福祉施設でのボランティア
・他のボランティアや団体と連携した犯罪・非行防止の啓発活動
●BBS会(Big Brothers and Sisters Movement)
さまざまな問題を抱える子ども・若者に、兄や姉のような存在として接する青年ボランティア。全国で約4,000人が活動しています。
▽主な活動内容
・ともだち活動(身近な相手としての関わりを通した更生支援)
・児童自立支援施設・児童養護施設などと連携した訪問活動
・健全育成活動(学習支援や居場所づくりなど)
●協力雇用主
再スタートに欠かせない就労の観点から雇用の受け入れ先として登録されている民間の事業主。全国で約25,000の協力雇用主が、さまざまな業種で受け入れています。
※刑務所などでも、就労に向けてハローワークと連携し、協力雇用主からの求人票の案内や職業訓練などを実施しています。
●何かをしたいと思った人へ
地域では、保護司など更生保護を支えるさまざまな人・団体が活動しています。活動や問い合わせ先は各団体で異なっています。詳しくは、市HP(広報さがみはら掲載の二次元コード参照)をご覧ください。
■関わりの形は自由
直接何かをすることだけが支援ではありません。地域に戻った人と同じ日常生活を送ることも支援の一つです。
さまざまな背景を持った人を遠ざけず、地域の一員として接することが、社会を明るくする力となります
■「社会を明るくする運動」関連イベント
▽SC相模原のホームゲーム開始前にブースを設置
啓発グッズの配布などがあります。
日時:7月13日(土)16時ごろから
会場:相模原ギオンスタジアム
※キックオフ前に配布終了の場合あり
▽作文コンテスト
市内小・中学校を対象に実施し、優秀作品は全国や県のコンテストに推薦されます。
※実施の有無や提出方法などは、各学校にお問い合わせください。
▽街頭啓発活動
市内の駅前で啓発グッズを配布します。
日時:7月1日(月)(1)8時~9時、(2)10時~11時(予定)
会場:
(1)橋本・淵野辺駅前
(2)相模大野駅前
※詳しくは広報さがみはら掲載の二次元コード参照
問い合わせ:生活福祉課
電話042-851-3170
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