■江戸時代に人気を博した物語「小栗判官」のヒロイン
てるて姫伝説を知っていますか。小栗判官の妻で、2人の物語は浄瑠璃や歌舞伎の演目にもなりました。
伝説が残される中央区上溝の横山丘陵緑地には、姥川沿いに散策路があり、姥沢地区は、市の登録史跡となっています。
木陰が涼しい時間帯、てるて姫と小栗判官の恋物語に思いをはせながら、散策してみませんか。
◆本市上溝に伝わるてるて姫と小栗判官の物語は「敵と味方に分かれた恋物語」
てるて姫は、この地の豪族であった横山将監の娘で、絶世の美女だったといわれており、敵方の武将、小栗判官と恋に落ち、ある夜に館を抜け出して、小栗のもとに行ってしまいます。将監は怒り、味方の全軍を小栗に差し向けますが、横山方は敗れ、将監も殺されてしまいます。これを聞いたてるて姫は大層悲しみました。
この他、全国各地にこの物語にまつわる伝承地があり、さまざまな種類の物語があります。
参考文献:『さがみはらの地名』『相模原名跡とむかしばなし』『相模原民話伝説集』『相模原市史(民俗編)』
◆てるて姫伝承地マップ
※マップは広報さがみはらをご覧ください
▽てるて姫遺跡の碑
てるて姫の伝承を残す歌が記されています。
▽榎神社
てるて姫を祭る神社。境内には、姫が地面に刺した杖が根付いて大きく育ったといわれている「逆さ榎」の大木(二代目)があります。
▽姥沢幻想の碑
てるて姫と乳母といわれる日野金子が会話している姿が描かれています。
▽姥沢
てるて姫の乳母が住んでいたことが地名の由来といわれています。
かつては、清水が湧き出し、てるて姫はその水で産湯を使ったといわれています。
▽鏡の泉
▽てるて姫の里ロマン探訪の小路入り口
▽日金沢
てるて姫の乳母といわれる日野金子が住んでいたこと、てるて姫がこの沢のほとりから湧く水を使い、日々紅金をつけて化粧をしていたことが地名の由来といわれています。
▽水くみレリーフ
姥川のほとりで肌を磨くために清水をくみ上げているてるて姫の姿が描かれています。
◆博物館 山本学芸員
中央区には巨人「でいらぼっち」の足跡や、南北朝時代の武将「淵辺義博」の龍退治など、多くの伝説が残されています。しかし、その舞台は分かりやすい目印があるところばかりではありません。気づかないだけで、皆さんの身近なところに隠れていることも多くあります。
今回の「てるて姫」伝承地は、比較的見つけやすい場所です。興味を持った人は、次は探すのがちょっと難しい別の伝説に関わるスポットを巡ってみませんか。不明な点などがあれば、ぜひ博物館にお問い合わせください。
■てるて姫にちなんだ銘菓「てるて姫物語」
「てるて姫伝説」で本市の知名度を高めるため、相模原商工会議所青年部と相模原和菓子研究会「相和会」が協力して、平成19年に完成しました。
白桃のペーストとくるみをブレンドした白あんを、しっとりとした生地で包んだ、てるて姫の顔をかたどった焼き菓子です。
中央区内では宝来堂伊藤製菓舗で販売しています。
所在地:中央区淵野辺3-7-4
営業時間:9時〜18時
電話042-752-2179
※詳しくは広報さがみはら掲載の二次元コードから
問い合わせ:中央区役所区政策課
電話042-769-9802
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