~認知症の人はどう思っているの?~
■認知症になっても 自分らしく、楽しく
◆川上さんのコメント
長生きってしんどいねぇとか、もうおばあさんでできないこともあるなあと思うときがあるけれど、自分にできることはやりたい。デイサービスのスタッフや学生さんたちのお役に立てるなら。いつまでも好きなことをやっていられるように元気で過ごしたいです。
▽川上登美子さん(87歳 アルツハイマー型認知症)
川上さんはこの4月から、認知症対応型デイサービス「おとなり」(南区相武台団地)を利用。デイサービスでは掃除を自ら担うほどのきれい好き。短期記憶の低下があるため、少し前の出来事などを忘れてしまうことはある。スクラッチアートを楽しむこともあり、出来上がった作品は、デイサービスの壁に飾られている。
・コーヒー豆の選別作業で活躍中
コーヒー屋さんから依頼を受け、コーヒー豆の選別作業に携わる。「娘がコーヒーすごく好きなのよ」と話し、積極的に取り組む姿は職人のよう。
・人生経験を生かして学生のカウンセラーも担当!?
スタッフやボランティアに来ている青山学院大学の学生の悩み相談でも大活躍している。自らの初恋やお見合いの話、ご主人との思い出話などは、学生たちにとってはとても新鮮。川上さんの好物であるシュークリームを一緒に手作りすることも。
◆若年性認知症Aさん(匿名)のコメント
私は2011年7月に、アルツハイマー型認知症の診断を受けました。
当初はショックでしたが、脳の病気が原因だからと、納得せざるを得ない気持ちもありました。主治医からの「いろいろな人と話をすることが良い」というアドバイスで、以前と同じようには働けなくても、地域などの行事やデイサービスでの活動に参加しています。認知症になって、生活スタイルが変わっても活動の場を持てたので、孤立しない人生を送れていると思います。
認知症は、全てのことが分からなくなるわけではありません。特殊な人ではなく普通の人です。「認知症だから分からないだろう」とか、「認知症なのにできるんだ」というような偏見を持たないでほしいです。おおらかな気持ちで見守ったり、接していただけたりすると助かります。
私は現状を受け止め、できないことをあれこれ考えず、自分でできることは自分でしたいと思います。これからも人生を大切に自分らしく正直に生きていきたいと思っています。
~一人暮らしなのに認知症になったら?~
■任意後見制度を利用できます
少子高齢化が進み、家族のサポートが受けられない、一人暮らし高齢者が増えています。住み慣れた地域で安心に暮らしていくために、判断能力が十分にあるうちに、財産管理など重要な意思決定が必要なときにサポートしてくれる任意後見制度を利用できます。
※任意後見制度とは?
あらかじめ本人が選んだ人に、代わりにしてもらいたいことを契約で決めておく制度です。判断能力が不十分になったときは、任意後見人が契約に基づき本人に代わって不動産や財産の管理など、本人の生活を支援します。
問い合わせ:さがみはら成年後見・あんしんセンター(市社会福祉協議会内)
電話042-756-5034
■9月18日(土)開催! 世界アルツハイマーデー直前イベント
イベントに参加して認知症への理解を深めましょう。
※「助けられ王国さがみはら」特設サイトで情報発信中
(1)映画『99歳 母と暮らせば』
時間・定員(申込順):
・午前10時~正午 100人
・午後1時30分~4時 150人(※監督のトークショーあり)
会場:あじさい会館
費用:700円
申し込み:開催日前日までに、直接、あじさい会館管理事務所、市社会福祉協議会緑区・南区事務所へ
(2)オンライン市認知症疾患医療センターの研修
時間:午後4時~6時
定員:200人(申込順)
申し込み:メールで、北里大学病院へ
Eメールdementia@kitasato-u.ac.jp
・・・共通・・・
対象:
(1)どなたでも
(2)インターネット環境を利用できる人
▽9月21日 アルツハイマーデーってなあに?
1994年9月21日、スコットランドのエディンバラで、国際アルツハイマー病協会国際会議が開催され、会議の初日であるこの日を「世界アルツハイマーデー」と宣言しました。アルツハイマー病などに関する認識を高め、本人や周りの人に援助と希望をもたらすことを目的としています。
■さらに理解を深めよう
『もの忘れ安心ガイドブック』
認知症の概要や詳しい情報を掲載
申込書等配布場所:地域包括支援センター、在宅医療・介護連携支援センター、各区高齢・障害者相談課、津久井保健福祉課
問い合わせ:在宅医療・介護連携支援センター
電話042-769-9250
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