大きな被害をもたらした令和元年東日本台風から一年が経とうとしています。地域で災害に備えるには、住民同士のつながりや助け合いが不可欠です。また、今後取り組むべき課題も浮き彫りになりました。今回は、実際に避難や地域での声掛けをしたお二人にお話しを伺いました。
■お年寄りへの声掛けや、台風のあと地域の見回りをしました
青野原地区自治会連絡協議会
会長 尾﨑久志さん
私たちの地区は、お年寄りが多いため、台風のときには、消防団などと連携して、避難場所への避難の声掛けや、事前に近隣の親戚のところへ避難してもらうなど、見回りをしてきました。
しかし、昨年の台風では、今までになく多くの人が避難しました。避難場所に指定された青野原出張所は、建物が狭いため、人があふれてしまいました。他の施設でも同様のことがあったと思いますが、今年はコロナ禍にあるので、風水害時避難場所が追加されたとはいえ、特に気を付ける必要があると思います。また、避難所と避難場所の違いが分かりにくいなどの声もよく聞きます。どういう時にどこに避難すればよいか、きちんと住民に浸透する仕組みを作ることが今後の課題だと思います。
■地域と行政などの風通しの良さが迅速な連携につながる
相模湖地区岡本自治会
会長 新井芳男さん
昨年の台風のとき、私たちの地区では、山からがれきや土砂が大量に流れ込み、一時的に道路が使用できない状態になりました。地域柄、車での移動ができないと非常に困るため、すぐに市の担当部署に話をし、地元の建設業者と連携して、撤去作業に当たりました。地元業者は、地域の道路の特徴などを熟知しているため、半日程度で道路のがれきや土砂の撤去ののち住民それぞれが家の周りの道路をきれいにすることで、迅速な生活道路の確保につながりました。
災害時には、日頃からの地域のつながりや風通しの良さが必要だと感じました。今後、市には、さらに風通しの良い組織を目指していただき、情報を共有しながら地域防災対策を進めていきたいと思います。
■大雨・台風の時の風水害時避難場所を追加指定
緑区内24カ所⇒56カ所
昨年の東日本台風の経験や、新型コロナウイルス感染症対策として3密を避ける必要性などを踏まえ、風水害時避難場所を追加指定しました。開設については、気象状況などにより判断するため、市ホームページ、ひばり放送などでご確認ください。
・下線ありは追加指定施設
※土砂災害警戒区域内のため開設場所を限定(体育館、校舎の一部など)
▽避難に当たって確認しておくこと
・安全な親戚・知人宅に避難することも考えましょう
・マスクを着用するなど、感染症対策をしましょう
・食べ物や飲み物など、必要なものを用意し避難しましょう
▽風水害時避難場所と避難所の違い
風水害時避難場所:洪水や土砂災害が発生する恐れがある場合に、その危険から逃れるために一時的に避難する場所。
避難所:地震や土砂災害などで家が倒壊、焼失した時などに中・長期的に生活滞在する場所。
問い合わせ:緑区役所地域振興課
電話042-775-8801
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