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共にささえあい、生きる社会

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神奈川県相模原市 クリエイティブ・コモンズ

■街角のヘアサロンにある“ささえあい”
市内で半世紀続くへアサロンの日常。そこには、十人十色の人々が生きるこの社会で、自然体であること、人を受け入れることの大切さを考えるためのヒントがありました。

◆ルピナスヘアー(西門商店街)
中央区相模原6-25-4
電話・FAX042-704-8869
Eメールlupinushair@uspot.jp
オーナーの淺川雅之さんは、自らも聴覚に障害があり、障害者の自立について長年にわたり、深い関心を持っている。母の代から家族でヘアサロンを営んで50年。熟練した技術で、障害の有無や世代の違いにかかわらず、誰もがおしゃれを楽しめる店

▽おしゃれしたい気持ちは誰にだってある
「本人がどんなおしゃれをしたいか、感じ取ることを大切にしています」。初めて訪れる場所は誰でも緊張するもの。障害のあるお客さんの中には、立って歩き出してしまう、うまく言葉で伝えられない人もいて、表現の方法もさまざまです。「気にしないで、そのままでいい。立ったままだって切れますよ(笑)!」と自然体であることを受け入れ、明るく話すのは、オーナーの淺川雅之さんと一緒に、この店を切り盛りする息子の和之さん。その気持ちは接客方法にも表れています。シーズンに合わせたへアスタイルやカラーの話をしたり、雑誌に載っている髪型を直接見せながら提案をしたり、手話ができなければ、タブレットで素早く変換して、「便利だな~!」と盛り上がったり。その人の状態に合わせ丁寧に寄り添うことで心をほぐし、おしゃれをしたいという気持ちを引き出します。
こうした心遣いで安心感が生まれ、「どの人も3回目には心を開いてくれます」。どんどんおしゃれになり、楽しそうな姿に家族もびっくり。「皆さんが喜んでくれることは、何よりうれしいし、自分たちの支えにもなっています」と雅之さんも和之さんも声をそろえます。

▽「喜んでもらいたい」から自然とアイデアが生まれる
根底にあるのは、相手に喜んでもらいたいという気持ち。「そのために一生懸命できることを」と雅之さんは話します。例えば、在宅では汚れてしまうからと諦めてしまうカラーやパーマを楽んでもらうために送迎を始めたり、一人一人に応じて個室として仕切れる工夫を店内に施したり。「あるものに人を当てはめていくのではなく、目の前にいる相手が喜んでくれるにはどんなものが必要か。そこから出てくる新たなアイデアを一つずつ形にしています」。小さな思いやりの積み重ねが、いつも朗らかな笑い声が飛び交う、居心地のよい空間をつくり上げています。

▽心に寄り添い、共に生きる
自分と違う境遇や、知らないことに出会うと無意識に心のバリアを張ってしまうことはありませんか。このヘアサロンのように相手のありのままを受け入れ、さりげなくお互いの存在や気持ちを大切にする日常の積み重ねの中に、“共にささえあい生きる社会”を実現するための一つのヒントがあるのかもしれません。

◆災害時の共生を考える
▽とっさの助けあい“知っておくこと”が大切
台風第19号被害で、改めて考えさせられた備えの重要性。災害発生時、障害のある人は自力で避難することが困難なケースも多くあります。日頃から、地域の中で災害時の支援について確認しておくことが、とっさの助け合いの判断や迅速な避難行動につながります。

・具体的に備えたいこと・知っておきたいことが冊子になっています
障害者本人やその周囲の人が備えたいこと、知っておいてほしいことを障害のある人の当事者目線で紹介しています。

▽外見では、障害の有無が分かりづらいことも
外見からは障害の有無が分かりづらい場合でも、配慮や援助を必要とすることをマークで示している人がいます。あらかじめマークの意味を理解したり、近所などでそれらを身に着けている人の存在を意識したりすることは、災害時の助け合いに役立ちます。

・知っておきたい「ヘルプマークって?」
外見では分からなくても、援助や配慮を必要としていることを周囲の人に知らせることで、援助を得やすくなるように作られたマークです。

◆イベント情報「障害者作品展」
日時:12月6日(金)~8日(日)午前9時~午後4時(6日は正午から)
会場:あじさい会館
※このほかにも、障害者週間の期間中のイベント情報を市ホームぺージに掲載しています。

問い合わせ:障害政策課
電話042-707-7055
FAX042-759-4395

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