「がん」も「骨髄ドナー登録」も、よく知らないという人が意外と多いかもしれません。
まずはがんのこと、骨髄ドナー登録のことそれぞれの誤解やイメージにまつわる「ホント」を一つずつ明らかにしていきましょう。
【骨髄ドナー登録】
◆ホントのトコロ(1)
骨髄ドナー登録は増えてるみたいだからもう要らないでしょ
⇒骨髄移植を受けたくても、10人に4人が受けられない!
・非血縁者間の骨髄移植などを必要としている患者は毎年約2,000人。骨髄ドナーと白血球の型が一致しても、実際に骨髄移植を受けられるのは、10人中6人にとどまるといわれています。
・ドナーとの適合者は10人中9人 →しかし→ 実際に移植を受けられるのは10人中6人
▽ドナーが骨髄提供に踏み切れない理由はいろいろあります。
・骨髄を採取することへの不安
・経済上の理由で仕事を休めない
・職場の理解が得られないなど
五介解造:骨髄移植は、骨髄ドナーがいなくなれば成り立たない!一人でも多くの登録が必要なんだ!
◆ホントのトコロ(2)
骨髄提供は危ない
⇒骨髄提供は安全性が高い!
・これまでに骨髄バンクを通じて、2万件以上の採取が行われましたが、死亡事故や命に関わる後遺症の例はありません。
▽提供までの流れ
1.ドナー候補者になった通知
2.確認検査
3.最終同意
4.健康診断・採取準備
採取にも2種類あるよ!
・骨髄採取…腰骨(腸骨)から骨髄液を採取(3泊4日程度の入院)
・末梢血(全身を流れる血液)幹細胞採取…腕などから造血幹細胞を採取(3・4日の通院後、1泊2日程度の入院)
5.入院・採取
6.退院
・採取後1〜3日で退院!退院後も健康状態を医療機関がフォロー!
五介解造:もちろん骨髄ドナーの健康と安全が最優先だ!
◆ホントのトコロ(3)
骨髄の提供は経済的負担が大きい
⇒提供者の入院費用などの負担はない!
・移植の際には、事前の健康診断や数日の入院が必要ですが、移植にかかる検査や入院費用などの負担はありません。ただ、実際は提供のために仕事を休めない、会社の理解が得られないなどの問題も。
⇒そこで
・骨髄を提供をする人などへの助成がスタート!
市では平成31年4月1日から、助成金の交付を始めました。
ドナー:1日2万円(最大7日間)
事業所:1日1万円(最大7日間)
対象:骨髄などの提供時に市内在住で、提供のための休暇制度がない国内の事業所に在勤の人(★)や、その骨髄ドナーの勤務先など
★国、地方公共団体・独立行政法人に勤める人を除く
※実際にドナーとして骨髄を提供した人が対象で、ドナー登録者に対する助成ではありません。
五介解造:骨髄などを提供するために、退院・入院した日数分の助成金が交付されるんだ!
◆自分や誰かの命を助けるために大切なこと。だから、じっくり考えてもらいたい
小石川知子さん
難病・骨髄線維症のため、5年ほど前に骨髄の提供を受けた。現在は「神奈川骨髄移植を考える会」副会長として、ドナー登録の普及・啓発に尽力している。
▽いろいろな幸運が重なったおかげで今がある
実は、私の年齢だと骨髄移植のリスクが高いといわれており、最初は移植しない選択を考えていました。でも、その時かかった病院で迷いや疑問を全部ぶつけることができて、ふん切りがついたんです。その後はとてもスムーズで、移植まで1年かかりませんでした。実際に、移植直前で提供が取りやめになった方もいる中で、幸運にも「生かされている」んだと感じます。
▽まずは「知る」ことが骨髄ドナーと向き合う第一歩
普及活動に参加するようになってから感じたのは、骨髄やドナーについての認知度がまだ低いこと。骨髄移植についても、実際にはそんなこと全くないのに「骨髄は背骨から取るんでしょ」と言われたこともありました。他にも、臓器移植と混同されているなど、間違ったイメージを持っている人も多いんです。誰しも骨髄移植が必要になるときがくるかもしれない。正しい情報が広まって、骨髄提供についてじっくり考える機会を持ってもらえたらいいなと思います。その上で、将来は「困っている人がいるから当たり前に助ける」くらいにドナー登録が普通のことになればと願っています。
◆骨髄ドナー登録ってどうやるの?
骨髄ドナーの登録は、各地で行われているドナー登録会に参加してください。登録手続きは10分程度で、その後に採血を行います。
対象:
・年齢が18歳以上、54歳以下で健康な人
・体重が男性45キログラム以上、女性40キログラム以上の人
・骨髄などの提供の内容を十分に理解している人
※骨髄か末梢血幹細胞を提供できる年齢は、20歳以上、55歳以下です。
※血圧、服薬、病歴などにより登録できない場合があります。
▽手続きはカンタン!
ドナー登録会に参加→問診and採血→後日確認書類送付
▽まずは行ってみよう!骨髄ドナー登録
日時:10月29日(火)午前10時~正午、午後1時30分〜4時
会場:市役所本庁舎前
五介解造:皆さんの誤解は解けたかな?
問い合わせ:地域保健課
電話042-769-8343
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