平成28年度決算は、加山市政10年目の節目の決算である。リーマンショック時の迅速な緊急経済対策等、10年間の的確な判断を評価するとともに、歳入に占める市税の割合が12%以上低下する中で、決算額を維持していることを評価する。次に平成28年度の実質収支については、63億3千万円の黒字であり、実質収支比率は4・5%と適正な数値であるが、単年度収支、実質単年度収支のいずれも赤字であり危機感を持っている。また、経常収支比率も102・5%と財政の硬直化は深刻な状況であり、今後経常収支比率の改善に向けた効果的な対策を講じ、新年度の予算編成に生かすよう提言する。
歳入については、法人市民税が市内企業の収益減少等で12・2%減収している。平成29年度も法人市民税は前年度比19・8%減の予算編成となっており、経済対策を講じるよう提言する。
市債については、臨時財政対策債を除き40億円の減額となっている。特に土木債は前年度比24億円の減となっており、市内経済活性化のため一定額を確保し、平準化するよう提言する。
歳出については、人件費が平成19年から5%以上縮小する等、効率的な職員配置を評価する。また、平成28年度も扶助費が全体の約3割を占める一方で、普通建設事業費は28・2%減となっており、決算のバランスが取れていない。市内事業者の窮状を指摘しておく。新年度の予算編成は必要な市債を有効活用し、他指定都市並みの投資的経費を確保するよう求める。
昨年、広域交流拠点整備計画が策定され、リニア中央新幹線の駅設置に向けた基盤整備がスタートした。また、交通政策審議会からの答申で小田急多摩線延伸が意義のあるプロジェクトであると認められた。人口減少化社会等を踏まえた上で、民間活力等を有効活用した広域交流拠点整備の推進を求める。
ここ数年厳しい状況での市政運営が続いているが、有効求人倍率の改善等、明るい材料もある。今回の決算を十分検証し、新年度予算編成に全職員一丸となった取り組みを期待する。
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