平成28年度の財政運営は、健全化判断比率において、早期健全化判断基準を大きく下回ったものの、経常収支比率は前年度から悪化した。保育所の待機児童対策や障害者福祉に係る給付費等の扶助費の増額等によるもので、市民に寄り添い、きめ細やかな施策を展開したことは評価するが、財政構造の硬直化は深刻であると受け止めている。
歳入の根幹を成す市税は、収入未済額の削減に一層取り組むとともに、納税しやすい環境づくりに取り組むことで、歳入を確保するよう要望する。
歳出については、全体の3割を超える扶助費を見直す判断が必要である。市民生活に大きな影響があってはならないが、市民全体のサービス享受のバランスが取れる見直しを要望する。
子育て支援については、増加する保育需要に対応する、保育所や放課後児童クラブの定員拡大や保育士等就職支援コーディネーターの配置、保育士用宿舎の家賃補助等の保育人材確保の取り組みを評価する。多様な子育てニーズや課題に対応し、妊娠、出産、育児と切れ目のない支援を要望する。
産業振興については、がんばる中小企業を応援する条例に基づいた中小企業の振興策における、経済のグローバル化等に対応した強固なものづくり基盤の構築、人材育成等への支援、融資制度による経営基盤の強化等に取り組んできたことは評価する。引き続き、女性のライフステージに応じた就労支援や女性の活躍に資する事業等、企業のニーズに応じた支援を要望する。
生涯スポーツ社会の実現については、横山公園人工芝グラウンドの整備やホームタウンチームと地域の交流事業促進等スポーツ振興の環境を整え、さらに、オリンピックのブラジル選手団の事前キャンプ誘致に成功した取り組みを評価する。
国民健康保険事業への繰出金の縮減は望ましいが、慎重な検討を要望する。